逆さ掛け軸
Posted 2011年5月15日
on:- In: 墨画 ichinoseki emi | 未分類
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先日、写真家の佐久間直美さんが、掛け軸の撮影をしてくれました。
窓ガラス越しに掛けてあるので、時間によって後ろから光がさし、
偶然にも??自然に演出されていることを佐久間さんが発見。
震災後すぐに描いたこの画は、さくらと月。
太陽の光のゆらぎや変化で 花びらが透明にみえたり、月が輝いたり
なにか別の力が加わったみたいで、神秘的でした。さすが写真家。。
いつも塩釜市の写真スタジオ・尚光堂さんで現像し、作品を仕上げている佐久間さん。
墨の濃淡をモノクロで撮ってくださり、
描いた本人が驚くような別の世界をみせてくれて・・・毎回とても楽しみです。
この墨画は 上からみても下からみても・・・真ん中にお月さま。
そして 今年は慌ただしい中やってきた桜の季節。
掛け軸の お花見です。
天国からも みてくれていると信じて、
生きている私たちと、亡くなった方と、
少し観る位地がかわったけど、
月や花や、同じものをみて、
亡くなった方と、一緒に生きていたいと思うのです。
そんな気持ちからか、
無意識に、上下左右どちらも正面になるような構図で描くことが自然でした。
今回のようなことがあると、とくにそれを強く感じます。
日本では、「逆さ屏風」といって亡くなった方の枕元に 高さの低い墨絵の屏風を上下逆に置く風習がありますが、
そんなお祈りの絵を、描いていきたいな・・・と、思っています。
先日、塩竃の避難所で墨画ワークショップを開催しました。
ゆったりと墨をすって、柔らかい香りにつつまれて
ひと時でも 穏やかな気持ちになっていただければと思います。
とっても楽しんで頂けて、私も嬉しかったです。
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