調律師・小田島智氏をお迎えして
Posted on: 2014年9月1日
調律師 小田島智氏をお迎えして
「いざなう月の琴」~月と星に寄せる、小さなお部屋コンサート~

通常私たちが耳にしているピアノは <平均律>に調律されているものがほとんど。
アクテデュースのピアノは あえて<古典調律>。
ヴェルクマイスターとよばれるバッハの時代の調律をよみがえらせて・・・
当時ひかれていたであろう・・・という音を体感していただきました。
現代の平均律は12音均等に統一した、便利なもの。
それが 本当に音楽的にベストなのか?
平均的ではなかった古のころは、
伝授しがたい 弾きづらいというデメリットもある一方、
心地よさを重視する 当時の作曲家達が目指していたところの高みを感じます。
偏りがあるぶん 研ぎ澄まされ感も強く、
不便であるぶん 弾きての技量やピアノの個性が
ピュアにあらわれていたのでは?とお話を伺って感じました。
アナログなぶん純粋な感性は ずば抜けた表現力や技術、
アイディアを生むのでしょうか。
平均律で聴き、ヴェルクマイスターに直して聴き比べるという
分かりやすい試みも。
古典でショパンを聴いてみると
只々<綺麗>だけではなく、当時の背景までも深く感じる気がします。
病弱だったショパン、ポーランドのどんよりした曇り空、
たまにパッと陽が差した時の青空の有難さ、綺麗さ。
ロマンやドラマまで漂わせる調律法だったのでは?
スイスで古楽器の研究をされたピアニスト・齋藤卓子さんだからこそ
紐解き引き出す演奏でお届けできたコンサートでした。
以下、ピアニストからのメッセージです。

8月最後の日曜日、サロンコンサート《いざなう月の琴》を開催いたしました。
今回はスペシャル企画としてゲストに調律師の小田島智さまをお迎えし、
実際に響きの違いを確かめながら、古典調律ヴェルクマイスターについてのお話を伺いました。
ありがたいことに方々よりお集まり頂き、昼夜2回公演とも無事に終えることが出来ました。
試みを通じて、ピアノの魅力や面白さを体感して頂けたなら、とても嬉しく思います。
この度はカフェ・イストワールさまにサービスを担当して頂きましたが、
そのお陰もあり、演奏に集中することが出来ました。
小田島さまをはじめ、たくさんの方の温かいお力添えをもって会を全うすることが叶いました。
深く感謝いたします。
次回開催は10月9日(木)19時を予定しています。
ぜひお出掛けください。
ピアニスト・齋藤卓子




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